出張で朝一番の飛行機に乗らなければならないとき、「乗り遅れるわけにはいかない」というプレッシャーから眠りが浅くなります。しかも、仕事でクタクタに疲れ果てていたとしても、覇気が感じられない様子で人と会うわけにはいきません。そんな日の前夜には消化吸収が早く、睡眠を邪魔しない「具だくさんスープ」がおすすめです。野菜から溶け出した水溶性ビタミンも丸ごと摂取できます。

石川 三知
Office LAC-U代表、Body Refining Planner
病態栄養相談に携わった後、東京工業大学勤務を経て、スポーツ栄養指導を開始（専修大学アメリカンフットボール部）。これまでに、フィギュアスケートの荒川静香選手・髙橋大輔選手、サニブラウンハキーム選手などをサポート。現在は、浦和レッドダイヤモンズトップチーム、山梨学院大学陸上部（短距離・長距離・駅伝）、東海大仰星高校ラグビー部を始めとする多くのトップアスリートの栄養サポートを行う。

遅刻できないプレッシャーから眠りが浅くなる

「明日は取引先の社長と朝食をとりながらミーティング」「出張で朝一番の飛行機に乗らなければ間に合わない」「締め切り間際の仕事を片付けるため、朝早く会社に行く必要がある」など、ビジネスパーソンにとって絶対に寝坊できない日があります。

取引先が遠方で早朝に飛行機や新幹線に乗らなければならないとなると、「乗り遅れるわけにはいかない……」というプレッシャーから眠りが浅くなります。しかも、仕事でクタクタに疲れ果てていたとしても、元気のない様子で人と会うわけにはいきません。相手の信頼を得るためには、気力と体力に満ち溢れたエネルギッシュな雰囲気が大切です。

私も仕事で出張の機会が多いので、この辛さはよくわかります。でも、栄養アドバイザーの私が疲れた様子で話をしていては、説得力ゼロですよね。アスリートの試合や合宿に同行する海外出張でも、私は食事を作ってサポートする立場なので、時差ボケしている暇はありません。現地に着いたらフルスロットルで活動開始です。

午前中に出発の海外出張では、「空港近くのホテルで前泊」という人もいるでしょう。でも、私は前泊しない派。慣れないホテルで寝るのも疲れるし、一度開けたスーツケースをまた荷造りし直すのも面倒だからです。片付けておく仕事や1～2週間家を空けるための用意で、いつも2時間くらいしか睡眠時間はとれませんが、それでも私は家で寝るほうを選びます。

こんなふうに出張の前日は睡眠時間が短くなりがちなうえ、前述したようにプレッシャーなどからよく眠れない人が多いのではないでしょうか。その対策としておすすめするのが、前夜に「具だくさんスープ」を食べることです。