最近、男女を問わず増えているのが「隠れ貧血」です。「大した運動でもないのに息切れや動悸がする」という人は要注意。食生活に、栄養豊富で隠れ貧血の予防効果も期待できる「アサイー」を取り入れましょう。「スーパーフード」と呼ばれ、抗酸化物質のポリフェノールやビタミン、アミノ酸などが含まれているうえ、造血を促す作用があることもわかっています。

男女を問わず増えている「隠れ貧血」

駅の階段で息切れしている中高年のビジネスパーソンを見かけることがあります。いろいろな原因が考えられますが、最近、男女を問わず増えているのが「隠れ貧血」です。「運動不足解消のため、エスカレーターを使わず、階段を上がってみたら息切れしてしまった」「最近、ちょっとの運動で息切れや動悸がして、駅の階段も一気に上れない」という人は隠れ貧血かもしれません。

貧血とは、血液中のヘモグロビンの量が少なくなることでさまざまな不調が起こることです。ヘモグロビンは赤血球に含まれる赤色素タンパク質で、酸素と結合して肺から全身へと酸素を運ぶ役割を担っています。そのため、貧血になるとからだが酸欠状態になり、めまい、立ち眩み、動悸・息切れ、疲労感、頭痛・耳鳴りなどの症状が現れます。

貧血は原因によっていくつかの種類がありますが、大半はヘモグロビンのもとになる鉄分の不足から起きる鉄欠乏性貧血といわれています。赤血球の寿命は120日で、毎日0.8%(約2000億個)が入れ替わっています。そのため、常に良い血液作りの材料が要求され、毎日、継続的に鉄を含む食材を食べるべきなのです。

隠れ貧血は通常の血液検査では診断できません。体内に貯蔵している鉄分が不足している状態で、いわば貧血予備軍。「潜在性鉄欠乏性貧血」などとも呼ばれ、そのまま放置すれば本当の貧血になってしまいます。

隠れ貧血の状態をもう少し説明しておきましょう。

まず、体内でヘモグロビンの材料となる鉄分が減り出すと、鉄を貯蔵する働きを持つタンパク質「フェリチン」が使われていきます。表面的には、赤血球やヘモグロビンの数値に変化はありませんが、フェリチン値を検査すると減っているのがわかります。これが隠れ貧血の段階です。

そして、貯蔵している鉄分がなくなると、次に血清鉄(血液中に含まれる鉄)が減り始め、ついにはヘモグロビンの合成に使える鉄分も底を尽きます。この段階になってはじめて、通常の血液検査で赤血球やヘモグロビンの減少がわかるのです。ちなみに、フェリチン値の検査は通常の血液検査に追加することもできるので、隠れ貧血の心配がある人は調べてみるといいでしょう。