営業に配属されたものの、とても社交的とは呼べない部下。これでは仕事になりそうもない……諦める必要はありません。「取引先は何に困っている?」の一言が、部下を優秀な営業マンに変える第一歩。内向的な性格を武器に変える逆転の発想とは。

部下が内気なのは、他者の気持ちに敏感だから

場所は営業部。新しく配属されてきた部下は内気で、営業トークも苦手な様子。もう少し取引先との関係を深めたり、新規開拓したりしてほしいのだが――内向的なメンバーに、もっと積極的になってほしいと悩むときもあるでしょう。彼らの行動を変えることはできるのでしょうか。

内向的な人にも、いろいろなタイプがいます。根本的に人間嫌いで他人と交流したくないというタイプもいますが、その場合は、多くの人と交流しなければならない営業職を勤めるのは辛いと言わざるを得ません。部下本人にも自覚がある場合は、早めに異動させるほかにないでしょう。

ただ、これは稀なケースだと考えられます。多くの場合、内向的な人に積極性が足りないように見えるのは、彼らが「繊細」だからです。

自分が人にどう見られるか、自分の言動が人にどう影響を与えるかに敏感な人は、行動する際に慎重になります。逆に言うと、外交的に見える人は他者の気持ちに少なからず鈍感な部分があるからこそ、臆せず物が言えたり、とっさに行動できたりするのです。