お金の使い方にはその人の性格が出るものです。お金にきっちりしている人となら安心してつき合えますが、ケチな人やルーズな人とはつき合いづらい。とはいえなかなかお金のことは意見できないし、貸したお金を催促するのも難しいものです。支払いをうやむやにしようとするケチな人やお金に汚い人にきっちり払ってもらうには、相手の立場や事情を理解したうえでの効果的なアプローチが必要です。

おごらない上司には直接言わず、人を使って忠告させる

コロナ禍では、仕事の後に職場のみんなで連れだって赤ちょうちんに……といったこともすっかり減りました。

それでもやはり、たまには上司から誘われることもあります。そんなときに発生するのが、支払いを巡るモヤモヤです。

上司が部下を誘うときは、上司のおごりで、と部下は期待してしまうものですが、ごくまれに、きっちり割り勘にする上司もいます。いやいやそこはおごってくださいよ、ひたすら愚痴や自慢話の聞き役を引き受けたのだからと思うものの、そんなことは口に出せない。

しかしながら、おごろうと思ってない人に、おごらせるのは無理です。会社から何らかの手当てが出る場合なら、部下がねだることに効果もあるかもしれませんが、手当の出ない会社なら期待できません。

上司にもそれぞれ経済事情があって、余裕がない人はいますし、奥さんがお金に細かい人だと、お小遣い程度しか持ってない上司もいます。それぞれ懐事情があって、おごりたくてもおごれない人もいるわけです。

ですから部下の立場で「上司なんだから、おごってくださいよ」と言うのは、やめておいたほうがいいでしょう。上手に甘えられるならいいですが、言い方がまずいと相手の感情を損ねてしまうことにもなりかねません。そうなると悪い評価をつけられたりと、意趣返しに遭う可能性もあります。

もし上司から誘われて割り勘で飲むのがどうしても不満なら、その上司の同僚や先輩にあたる人に「うちの上司、毎回割り勘なんです」と伝えてはどうでしょうか。その人から「おまえ部下を誘っておいて割り勘なんて、みっともないぞ。ちゃんとおごってやれ」などと、言ってもらうといいでしょう。

それでも変わらないなら、そこそこのつき合いにとどめることです。お声がかかっても適当な理由で断っていいし、一緒につき合うときも上司の愚痴や説教がはじまったら「今日はこのくらいで……」とお開きにすればいいのです。自分のお金で飲む以上、面白くないなら失礼のないように言い方に気をつけつつも、適当に切り上げるべきでしょう。

そんな部下の雰囲気から、「やっぱりおごったほうがいいかな」と気づいてくれればそれでよし。それでも変わらなければ、その程度のつき合いだと割り切りましょう。