新しいメンバーが加わって、チームの雰囲気もリフレッシュ! しかし、上手に迎え入れないと、新メンバーがチームや仕事に困惑してしまうかもしれません。同じチームの一員として溶け込ませるチャンスがやってくるのは会議の場面。「どんな景色が見えましたか?」と問いかけるべきタイミングとは——

「目に見える情報」と「目に見えない情報」を共有しよう

あなたのチームに新メンバーのAさんが加わることになりました。みんなAさんと働くことを楽しみにしていますが、チームリーダーのあなたをはじめ、全員かなり忙しい時期です。歓迎パーティーを開くことも、チームが抱えるプロジェクトを網羅的に説明したり、Aさんの担当業務を手取り足取り指導したりすることも、しばらくは難しそう。そこであなたは、「とりあえず明日のチームミーティングに参加してもらおう。メンバーはみんな優しいし、すぐに溶け込めるはず」と考えるかもしれません。でも、ちょっと待ってください。

「この漫画すごく面白いから読んで!」と言われて、急に最新刊を1冊だけ渡されたら、あなたはどう思いますか。「最初から読まないとストーリーがわからない」「せめてここまでの話の流れを説明してほしい」と困惑するはずです。

新人を迎え入れるのも同じ。「明日ミーティングあるからよろしく」「これ資料だからとりあえず目を通しておいて」と言い残すだけでは、相手を不安にさせるばかりでしょう。

とはいえ、良かれと思って、「何か聞きたいことありますか?」といきなり質問攻めにするのも、得策ではありません。新しく入ったメンバーが不安を抱えているのは、「何がわからないか」すら、わからないからです。

不安を解消するためには、最初のチームミーティングに参加してもらう前に、Aさんにできるだけ「情報」を共有しなければいけません。チームリーダーのあなたがどんなに忙しくても、ここは外してはいけないステップです。まずは、業務マニュアルや過去の資料に代表されるような目に見える情報を事前に共有しましょう。

目に見えない情報も重要です。どのチームにも、わざわざ明文化されたり確認されたりはしていないものの確かに存在する「前提」があり、それが暗黙のルールとして機能しているからです。