最近、チームメンバーの二人の仲が悪くなっている。チーム全体の雰囲気にも影響を与えるし、何とかしなくては……大人同士であっても、時には子どものように喧嘩をしてしまうもの。仲裁のために外せない質問が「仲直りする気はある?」。怒りを上手にコントロールする手法を紹介します。

メンバー同士が対立してしまう2つのパターン

最近、部下のAさんとBさんの仲が明らかに険悪だ。ほかのメンバーも気付いていて、チーム全体の雰囲気も少しギスギスしてきた——私も、こういう経験はたくさんあります。

「いい大人なんだから揉め事は当事者間で解決すべき」とする見方もあるかもしれません。しかし、チームメンバー同士の対立はチームワークを機能不全に陥れ、チームのパフォーマンスを悪化させます。ここは、チームリーダーの介入が必要です。

メンバー同士が対立してしまうパターンは、大きく分けて2つあると考えられます。

ひとつ目は、意思決定時において意見の相違があったパターンです。例えば、チームで新商品のPRイベントを企画したとき、Bさんの意見が採用されてイベントは成功したものの、Bさんの企画案に疑問を呈していたAさんが最後までわだかまりを抱いているケース。両者が大事にしている価値観や、それぞれが立脚していた前提条件に大きな隔たりがあり、それが最後まで解消されなかった結果、一方が不服に思い続けている状態です。

2つ目は、両者に深刻な意見の相違はなかったにもかかわらず、一方の些細な言動がもう一方の反感を生んでしまったパターン。「あのときのあの言い方が気に入らなかった」「2週間前に起きたことをまだ謝ってこない」という具合に、一方が長い間イライラを抱えてしまい、その負の感情がもう一方に伝染した状態だと言えます。非理性的なようにも思えるこのパターンがメンバー間の亀裂を生み出していることは、実は、とても多いです。