チームのメンバー同士が協力すれば、生産性は高くなります。しかし、様々な場面でチームワークを阻害する要因があるのも事実。例えば情報の共有。「どんな些細なことでもいいんだけど、最近周囲で気になることはない?」。リーダーの自分から声をかけたとき、果たして部下は答えてくれるのでしょうか?
部下の報連相は「下手」が普通であると心得よ
報連相(報告・連絡・相談)が不十分な部下を見ていて、「そんな初歩的なこともできないのか……」と内心イライラしている人は多いかもしれません。しかし、本当に報連相は「初歩的なこと」でしょうか。
身の回りで起きたすべてのでき事をダラダラ話してもいいのなら、確かに報連相は誰にでもできる簡単なことです。しかし、現実はそうではありません。
いつも目が回るほど忙しそうにしている上司を前にして、部下は、「どれぐらい上司の時間をとってもいいのか」「そもそもこれは本当に伝えたほうがいい話なのだろうか」「いま自分から言うべきか、後で聞かれてから答えるべきか」……と頭を悩ませています。
報連相は、社会人なら初めからできてしかるべき「初歩的なこと」では決してありません。適切なタイミング・所要時間・情報量で報連相ができる部下がいるとすれば、それは、上司の心の内を完璧に読み切るための状況判断能力やコミュニケーション能力によほど長けた人材です。部下の報連相は「下手」なのが普通であるということ、よって、上司は部下の報連相を支援しなければならないということを、リーダーは心得ておきましょう。
報連相は、「何を、いつ、どう話すか」を正しく判断することが求められる、高等スキルなのです。