健康を考えるなら禁煙をお勧めします。しかし、禁煙方法を間違えると、テストステロンの急激な減少による肥満など、かえって健康を損なう恐れもあります。今回は、名医が教える上手な禁煙方法と、喫煙で生じるテストステロンへの悪影響を減らすノウハウをお伝えします。

禁煙の思わぬ落とし穴

「タバコ=男らしくてカッコイイ」というイメージは、タバコの害が広く認知されるようになったいまでも、根強く残っているかと思います。実はこれ、事実無根というわけではありません。タバコを吸っている人のほうがテストステロン・レベルは高いのです。

テストステロンの一部は、アロマターゼという酵素によって女性ホルモンのエストロゲンに変換されるのですが、コチニンという、タバコに含まれるニコチンが体内で代謝された物質は、アロマターゼの働きをストップさせます。これが、タバコを吸うとテストステロン値が上がる仕組みです。

では、ヘビースモーカーが突然タバコをやめるとどうなるでしょうか。アロマターゼが活性化し、テストステロンが急激に下がることで、体の調子が悪くなって、肥満になります。禁煙すると太るとよく言われますが、それはテストステロンの減少が原因です。