お金持ちのマナーは庶民のマナーとどう違うのか?「金持ち喧嘩せず」、「汚い家に金持ちなし」は本当か?お金持ちと接する機会が多い会計士、税理士、ジャーナリストに話を聞いた。(内容・肩書は、2016年5月2日号掲載時のままです)
会計士という仕事がら、富裕層の方と接する機会が多くあるのですが、富裕層の方々の一番の特徴は、明るくていつもニコニコしていることです。加えて、非常に好奇心旺盛で、あれもこれも「面白いなあ」と思っているので、自然と笑顔になるのでしょう。
とてもオシャレで、身なりに気をつかうことも共通項です。といっても、単に高い服を着ているわけではありません。高いものとユニクロの服を組み合わせるなど上手に着こなす人が多いです。
身なりに気をつかうのは、「自分をよく見せよう」という気持ちからではなく、「不快な印象を与えないようにしよう」という意識が強いようです。見た目が若い人も多く、年齢が高くなればなるほど、見た目と実年齢との差が大きくなるように感じます。
パーティーでは左手でグラスを持つ
若く見える理由のひとつは、姿勢がいいこと。みなさん、背筋をしゃんと伸ばしています。そして若い世代が好むものもよく知っています。例えば、カラオケにご一緒すると、昔の歌も歌うけれど、若い世代が好む歌も知っている。柔軟性が高いことも、富裕層の方々に共通しています。「いい」と思うことは、相手の年齢を問わずアドバイスに耳を傾け、積極的に取り入れようとする。私自身、アドバイスを求められてお答えしたところ、翌日には実践されていて本当にビックリしたことが何度もあります。
別れ際などに「今日はありがとうございました」と握手をする方が多いのも富裕層に共通する行動です。そのため、パーティーの席では冷たい飲み物は必ず左手で持つ。握手は右手でしますから、そのときに相手が「冷たい」と感じないための心づかいが習慣になっているのでしょう。