何気ないその行動が、職場の評価の分かれ目に――。一目置かれる人と、バカにされる人のマナーの意識はどう異なるのか。男女500人アンケート結果からある傾向が浮かんできた。(内容・肩書は、2016年5月2日号掲載時のままです)
どこが違うか?「見た目」編
好印象な見た目を質問したところ、1位は「笑顔が爽やか」、2位は「楽しそうに仕事する」だった。笑顔や楽しい表情が好印象を与えることについては、医学的な裏づけがある。
「脳にはミラーニューロンと呼ばれる神経細胞があります。ミラーニューロンには、相手の行動を見たときに自分も同じ行動を取るという働きがある。笑顔の人を見れば、こちらも自然に笑顔になるのです」
笑顔になれば、感情も影響を受ける。
「脳は騙されやすい性質を持っています。最初は楽しい気分ではなくても、ニコニコしていると、脳がそれに引っ張られて楽しい気分になる。これを顔面フィードバック仮説といいます」
笑顔をふりまき楽しそうに仕事をすれば、ミラーニューロンで表情や行動が周りに伝染し、顔面フィードバック仮説で気分までよくなる。それが周囲に好印象を与えるメカニズムだ。
一方、嫌われるのは、1位「口臭がきつい」、2位「香水の匂いがきつい」。
「見た目は今日からでもすぐに変えることができ、効果が表れるのも早い。しかも、視覚情報は人の印象にもっとも大きな影響を与えます。一方、盲点になっているのが音や匂い。視覚ほど意識されないせいか無頓着な人が多く、目立つのでしょう。女性は知覚が発達していて、不快な音や匂いに敏感。女性が多い職場では要注意ですね」