初対面の相手につい緊張してしまうなど、実際のビジネスにおけるコミュニケーションの場面で悩みを持つ人はたくさんいます。そんなとき、人間の心理の動きにかなった簡単なテクニックを取り入れるだけで、コミュニケーション力は驚くほど向上します。会話をもっとスムーズにして、有意義で良好な人間関係をつくっていきましょう。
「5つのYES」で相手の警戒心を解く
相手との会話が盛り上がれば、いい人間関係をつくりやすくなるのは明白です。そこで、ビジネスパーソンが、実際のコミュニケーションをスムーズにするための3つの簡単な方法を紹介します。
人は初対面のとき、無意識でもお互いに少し緊張を感じているものです。「この人はどんな人なのだろう?」「本心では何を求めているのだろう?」と警戒している状態にあるとも言えます。そこで、相手にいい印象を与えて、コミュニケーションを活性化させるには、まずこの警戒心を解く必要があります。
その簡単なやり方として、相手が必ず「YES」と肯定してくれる、誰でも答えられるような言葉を投げかけていくのが、①の「5つのYES」というメソッドです。例えば、「すっかり秋になりましたね」「街に観光客が戻ってきましたね」というように、相手が「YES」としか言いようがない言葉の投げかけからコミュニケーションを図っていくわけです。
すると、相手は自然なかたちでこちらを肯定することになり、自ずと警戒心や緊張が解けて、お互いに良好な人間関係の場をつくりやすくなります。逆に言うと、相手に「NO」と感じさせてしまう言葉を投げかけると、相手の警戒心や緊張を高めることになります。
ポイントは、初対面の人と出会うことが多いビジネスのコミュニケーションでは、「導入が大事」だということ。質の良い導入がいいコミュニケーションの契機となり、そのコミュニケーションの質が、結果的に思考の質へと変わり、思考の質が行動の質へ、さらに結果の質へと変わっていくという流れです。
ちなみにこのメソッドは、あくまでお互いの緊張をやわらげるためのものなのであまり多用せず、3~5つほどの言葉の投げかけにとどめておきましょう。大切な商談や会議、1on1ミーティングなどでぜひ活用してほしいと思います。