コミュニケーション力は、「人間関係の質」を左右する大切な要素のひとつです。特にビジネスの観点に立つと、いい人間関係によって問題の解決が促されたり、膠着した現状が打破できたりと、組織の「心理的安全性」も高まっていきます。あなたのコミュニケーション力を「底上げ」していくための、具体的な方法を紹介します。

中島 輝
心理カウンセラー
「トリエ」代表。「自己肯定感アカデミー」代表。心理学、脳科学、NLPなどの手法を用い、独自のコーチングメソッドを開発。Jリーガー、上場企業の経営者など1万5000人以上のメンターを務める。現在は「自己肯定感の重要性をすべての人に伝え、自立した生き方を推奨する」ことを掲げ、「肯定心理学協会」や 新しい生き方を探求する「輝塾」の運営のほか、広く中島流メンタル・メソッドを知ってもらうための講座を多数主催。著書には『自己肯定感の教科書』『自己肯定感ノート』『毎日みるだけ！自己肯定感365日BOOK』(SBクリエイティブ)、『あなたは、もう大丈夫。「幸せスイッチ」が入る77の言葉』(プレジデント社)、『口ぐせで人生は決まる　こころの免疫力を上げる言葉の習慣』（きずな出版）などがある。

コミュニケーション力は「人間関係の質」を高める

わたし自身、コミュニケーション力を「人間関係の質を高める力」だと捉えています。そして、人間関係の質が高まると、個人が感じる「安心感」と、そんな個人が集まってつくる場の「心理的安全性」が高まっていくとも考えています。

そこで、実際にコミュニケーション力を高め、人間関係の質を向上させるために、次の5ステップからなるメソッドを提案します。

まずは、コミュニケーションに関する不安や恐れから過去に犯してしまった失敗を書き出してください（①）。例えばそれは、「大会場でのプレゼンで緊張して話すスピードが速くなり、あとでわかりづらいという意見があった」というようなことです。

そして、そのときの自分の感情や思考を振り返ります（②）。それは、恥ずかしさや後悔の気持ちでしょうか？　あるいは怒りの感情でしょうか？　このように、ふだん意識しない自分の感情や思考をしっかりと「見える化」することで、つい目をふさぎがちな失敗体験についても、冷静に振り返ることができるようになります。