商談や交渉、プレゼンテーションなどにおいては、多くのビジネスパーソンが緊張を感じると言います。特に、リーダー職やマネジメント層には、より強いプレッシャーがかかる場面が多くなることは言うまでもありません。そもそも、なぜ人は緊張するのでしょうか。そして、緊張をうまく緩和させる方法にはどのようなものがあるのでしょうか。

「固まる」「逃走」「闘争」という3つの反応

緊張とは、体や心に極度の負荷や、想定外の負荷を受けたときに起こる生体の反応のことを指します。例えば、体に極度の負荷などがかかって筋肉がこわばると、足がつってしまうような状態になります。また、想定外の出来事や災難に遭うような状況に置かれると、体だけでなく心も強い緊張状態に置かれ、パニックなどに陥ることがあります。

そこまでいかずとも、仕事中に電車が遅延したり、突然、雨が降り出したりするのも想定外の状況と言えるし、大事な商談やプレゼンなどの非日常的な出来事と向き合うときも、心は緊張を感じることになります。

心理学では、心が緊張すると、人は「固まる(Freeze)」「逃走(Flight)」「闘争(Fight)」の3つの反応をすると言われています。

「固まる」という反応は、本来であれば、自分が置かれた状況をいち早く認識・分析し、適切な行動を取らなければならない場面で、まったく動けなくなってしまう状態のこと。これは多くの場合、なんらかの行動をしなければますます悪い結果を招きますから、もっとも避けたい状態といえます。

「逃走」や「闘争」の反応は、自分が置かれた状況を認識・分析した結果の行動です。「自分の力ではどうしようもできない」と判断すれば逃走を選択するし、勝ち目があると見たり、逃げるのが難しいと判断したりすれば、人は闘争を選ぶこともあります。