ビジネス会話の達人である澤円さんは、ビジネスにおいて人前で話すとき、声の大きさやスピード、「間(ま)」の取り方などを意識することも大切だと言います。そんな「会話の筋力」を鍛えるために意識したいポイントとともに、簡単かつ効果的なおすすめのトレーニング方法を紹介していきます。

音声を録音して声の大きさとスピードをチェックする

人前で話すときの声の大きさやスピードをトレーニングするには、自分の声を録音して繰り返し聞くことに尽きます。まずは映像として録画する必要はなく、音声だけをチェックできる状態をつくってもらえれば十分です。いまはスマートフォンの各種録音アプリで、自分の声の大きさや響き方などを簡単にチェックすることができます。

また、録音した音声を、早めたり遅めたりして再生できるアプリもたくさんありますから、それらを使って、話すスピードを変えたときにどのように聞こえるのかを確認するといいと思います。もし、スピードを早めて再生すると快適に聞こえるなら、ふだん話すスピードも少し早めたほうがいいということです。

僕は、ふだん比較的早口なほうだと認識しているので、プレゼンをはじめ人前で話すときは、意識的にゆっくり話すことを心がけています。また、ふつうのスピードで話すときでも、聞き手に印象づけたい箇所だけあえて話すスピードを落とすなど、特定のメッセージを自然に強調させるテクニックも使います。

以前、僕が人前でプレゼンしはじめた頃の映像を見たことがあるのですが、早口なまま話していたのを知り、驚いたことがあります。まだ経験が浅く、スムーズに話すことに意識が向きすぎていたせいか、話すスピードへの心配りが足りなかったのでしょう。