相手と意見や考え方が違うとき、または顧客の提案を断る場合など、仕事では「伝えづらいこと」でもしっかりと相手に伝えなければならない場面があります。ただ同時に、相手を尊重し、人間関係を損なわないような会話が必要となります。そのような場合、どのようなコツがあるのでしょうか。

意見が違うときは共通するアクションに立ち戻る

会話をするなかで、相手と意見や考え方、価値観が違うと感じたときは、まずその意見の違いの部分ではなく、「いまなんのために話しているのか」「お互い何をやろうとしているのか」という共通のアクションにフォーカスしましょう。お互いにビジネスの成功を前提としているならば、すべての議論や交渉は、意見の違いを超えて、正しくアクションするために行うものだからです。

僕自身は、そのアクションを、「世の中をよくする」ために行うものと捉えています。そのために、わたしたちは仕事を通じて共に時間を過ごしているのです。「世の中をどうしていきたいか」「どうなるとお互いにとって成功なのか」ということに、立ち戻る必要があるというわけです。

もちろん、人それぞれ意見が違うのは仕方がないことです。でも、意見が一致しないこと自体を受け入れながら(英語ではAgree to disagreeといいます)、会社という器を使って、共に「世の中をよくする」アクションについては合意を目指していく――。このマインドが持てるようになると、相手と意見や考え方、価値観が違っても、話を続けていきやすくなるはずです。