ビジネスチャンスを確実につかむ人は、他者との会話の一つひとつを重要なコミュニケーションの機会と捉え、人とは違う工夫を重ねています。単なる「話し方」の技術を超えた、より大切にしたいビジネス会話の本質とはどのようなものでしょうか。その考え方と実践的な方法を紹介します。

チャンスをつかむ人は相手のことをよく知っている

チャンスをつかむ人は、人と会話をするなかで相手を「観察」し、情報量をたくさん得ることができる人です。事前情報がなかったとしても、相手と会ったその場でしっかり情報を収集できる力を持っているのです。

その情報は、たとえば相手の持ち物かもしれないし、興味関心事かもしれないし、何気なく発したひとことから見えるものかもしれません。その集めた情報をもとに、「どうすれば相手と共通の目的や行動が見つけられるだろう?」と考えます。そして、いくつかのオプション(選択肢)のなかから、目の前の人に最適な提案をすることができるのです。

たとえ提示したオプションが相手の心に響かなくても、そもそも情報量が多いので、すぐに別のオプションを試すことが可能です。相手に対する会話のアクションが多いからこそ、チャンスをつかむ可能性も必然的に高くなるというわけです。

相手についての情報を多く手に入れるには、「相手のことを知ろう」とする意思を持てるかどうかが、大きなポイントになることは言うまでもないでしょう。これは会話の技術云々ではなく、まず相手を観察することに集中する意識を持つことです。情報量が多ければ多いほど、どんな会話の場であれ、相手の心をつかむ可能性は高まります。