人前で話すときは、声や表情、視線だけでなく、「身振り手振り」も重要な要素です。ポイントは、「自分がどのように見えるか」につねに注意を払い、無意識のクセを改善していくこと。ここでは、落ち着きのある振る舞いをつくるための実践的なコツを紹介します。

周囲の人が見る角度で「身振り手振り」をチェック

人前で話すときの「身振り手振り」をよくするには、まず「自分がどんな身振り手振りをしているか」を、客観的に認識する作業が欠かせません。ふだんの会議などの機会をうまく使い、自分が人前で話している姿を録画して確認するといいでしょう。

録画の際のポイントは、スマートフォンなどを自分の正面に置いて撮影するのではなく、周囲の人がふだんあなたを見ている角度から撮影すること。相手はつねにあなたを正面から見ているわけではありませんから、たとえば少し斜めの角度にスマートフォンを置いて撮影すれば、相手が目にしている状態に近い、自分の身振り手振りをチェックすることができます。

その意味では、正面から撮影するかたちになるWeb会議ツールなどのレコーディング機能を使うのは、身振り手振りをチェックするには不十分といえます。あくまで、周囲の人が見ている自分の姿を確認することに意味があるのです。

ちなみに僕の場合は、テレビなどに出演するようになってから、周囲の人から見えている自分の姿をより強く意識するようになりました。なぜなら、テレビの収録スタジオでは、自分の姿をいくつものカメラで、複数の角度から収録するからです。

もちろん以前より、プレゼン会場では「どの席からどのように見えるか」を必ず複数の場所からチェックして本番に臨んでいました。しかし、複数台のテレビカメラで撮影・記録されることを経験してから、より正確に身振り手振りを把握できるようになったというわけです。