会議をファシリテートするときに、「周囲の人に意図や考えがうまく伝わらない」と悩む人はたくさんいます。特にマネージャーやリーダーの人は、どのようにチームメンバーが主体的に参加し、発言できる環境を構築すればいいのでしょうか? ここでは、会議をより生産的な場にするための実践的なコツを紹介します。
どんな会議にも「ビジョン」を決めて共有する
社内における会議に話を絞りますが、メンバーに説明したり、発表したりするときに覚えておきたい基本のマインドセットが、話をする目的を「シンプルにする」ことです。ここでのシンプルとは、会社や組織、チーム全体が「ハッピーになるようなアクションにつながる」話をするという意味です。
小手先の話し方のテクニックに頼るのではなく、まずはチームやその会議のビジョンを決めて、メンバーに共有する。このマインドを持てるかどうかのほうが、よほど大事だと僕は考えています。
ビジョンというと何か壮大なイメージを持ちがちですが、ビジョンとは、「こっちの方向へ行くよ!」とみんなに共有する「目印」のことだと考えてください。あくまで「ゴール」ではないところがポイントです。
このように考えると、毎回の会議にもビジョンを設定することができます。1年間行う定例会議なら、「みんなの面白いアイデアを1年分出し合う」というビジョンのもと、定例会議を行うこともできるでしょう。ついルーティンでこなしがちな会議に対して、最初にシンプルなビジョンを決めてしまうわけです。
特にマネージャーやリーダーの方は、一つひとつの会議の事前準備として、ビジョンを決めておくことが欠かせません。もっというと、すべてのビジネスプロセスにおいてビジョンを決め、それらをメンバーに共有した状態で仕事に臨むことをぜひ意識してみてください。
すると、メンバー(参加者)の姿勢がみるみる変わります。あるビジョンに向かって、自身の目的を持ち、自身の得意分野を活かすために、能動的に会議に参加できるようになるからです。会議とは、そうした「アクションを明確にするための決起集会」と捉えると、よりわかりやすいかもしれません。