リモート会議の機会が増えるなか、対面とはちがうオンライン環境ならではのメリットを活かすビジネス会話には、いったいどんなコツがあるのでしょうか。会議や講演、セミナーなどをリモートで行うことも多い澤円さんに、リモート環境で気をつけたいポイントを聞きました。

リモート環境での自分の言動を把握する

リモート環境では、まず自分がどのように映り、自分の声がどう届いているかを知っておくことが何より大切になります。どちらもビデオ会議の録画を見ればわかるので、あらかじめ確認しておきましょう。

これはつまり、“己を知る”ということにほかなりません。リモート環境での「話し方」を考える前に、そのリモート環境において自分はどんな言動をしているのか、現状把握しておくことが必要なのです。多くの場合、自分が思っていた言動とは異なる面が発見できるはずです。

たとえば、自分はビデオ会議中にどこに目線を送っているのか? ふつうに画面を見ているようでいて、カメラの位置によっては多くの場合、目線が微妙に外れた状態になっています。ノートパソコンのカメラは液晶フレーム上部にあることが多く、タブレットも機種によってはフロントカメラが左右どちらかに位置しています。すると、画面をまっすぐ見ていても、目線がずれた自分の姿がずっと映し出されるというわけです。

そこで僕は、モニターに映される表情にずれがあることを理解したうえで、時にカメラのほうに視線を向けるようにしています。ずっとカメラを見続けるわけにもいかず、少し長めにカメラを見続けるだけでも相手にとっては“見られている感”を持ってしまうので、ときどき目を合わせる瞬間をつくる程度でいいと思います。すると相手は、「わたしのほうを見てくれている」という印象を持つため、逆に“話しかけている感”を出すことができます。