知らない人ばかりのパーティに参加するのは、本当につらい。だが、それは、自分が話をしなければならないと思うから。質問が9割で、自分のことを話すのが1割ですませるコツを、テレビの名プロデューサーが指南する。(内容・肩書は、2017年12月18日号掲載時のままです)
「いい人になろう」が話をつまらなくする
見知らぬ人ばかりのパーティが苦手なのは、「人によく思われたい」という意識が先に立つからでしょう。だったらそれを「人をよく知りたい」に変えたらいいと思います。自分を知ってもらう前に、まずは“人のことに興味を持つ”ようにするのです。
パーティでは、名刺交換をする機会が多いかと思いますが、まずは肩書に注目。最近は長すぎる肩書が多いので、それが何なのかを聞いてみましょう。僕はよく「プロデューサーという肩書なのに、なんで監督をしているんですか?」と聞かれるのですが、そのように疑問に思ったことを素直に聞くのもいいですね。肩書以外では、名前の漢字、会社名など、思い入れがありそうな部分に触れると話が弾みます。
よく、話し下手だからと人前に出ることを尻込みする人がいますが、質問は素朴な一言でいいんです。会話を弾ませることと、その場を盛り上げることは全く違います。弾むというのは、相手が楽しくおしゃべりをするということ。自分一人が一方的に楽しく話しても、実は会話は全く弾んでいないんです。
たとえば、「お仕事は何ですか」と聞いたとします。よくあるのが、その仕事について自分が知っていることを一生懸命話してしまうケース。相手はその仕事のプロなのに、プロに対して説明しちゃっているわけです。よく考えたらおかしな話です。
ではどうやって会話を弾ませるか。仮に相手が「ひげ剃りを作る仕事」をしているなら、「2枚刃とか3枚刃ってありますけど、あれってホントに意味があるんですか?」といったふうに、普段思っている疑問を素直に聞けばいい。自分の仕事に興味を持たれて嫌な人はいませんよね。そうやって相手に気持ちよく話してもらえる環境をつくることが大事なのです。そうすれば、質問が9割で、自分のことを話すのはたった1割でよくなります。それなら話し下手の人でも会話上手になれるはずです。