「目標管理」でパフォーマンスを上げるマネジメント〈かめアリ・かめギリス編〉

古川 武士

習慣化コンサルタント

習慣化コンサルティング株式会社代表取締役。1977年、大阪府に生まれる。関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。約5万人のビジネスパーソンの育成と1万人以上の個人コンサルティングの経験から「続ける習慣」がもっとも重要なテーマと考え、日本で唯一の習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。オリジナルの習慣化理論・技術を基に、「多様性が溢れる中で、個性を輝かせる」をミッションに、法人向けに「性格4タイプ別1on1マネジメント研修」「タイプ別自立型人材育成習慣研修」「仕事の高密度化研修」などを提供している。NHK「あさイチ」「ごごナマ」、TBS「情報7daysニュースキャスター」など200以上のTV、ラジオ、雑誌に出演。著書は、習慣化に特化したテーマでこれまでに24冊を出版、累計100万部を超える。

「かめアリ」タイプの目標管理

●「1on1ミーティング」における目標管理のアドバイス

「かめアリ」の特徴は、長期的に計画を立て、地道な仕事も「自分に与えられたノルマ」として気分のムラなく継続できること。その反面、予定外のことで計画が崩れ、自分のペースが乱されることをとても嫌います。

「かめアリ」は、半期であれ、通年であれ、目標達成までの計画と行動の落とし込みは得意で、以降も計画に沿って安定したモチベーションで取り組んでくれます。ミーティングの際に留意すべきは以下の2点です。

●「かめアリ」へのフォローアップ

「かめアリ」の部下がフォローアップとして求めることは、「いまの自分の計画が全体の方向性からズレていないかの確認」です。「かめアリ」は目標達成に向け、自分なりの長期計画を立てて自分の行動をルーティン化させようとする傾向があります。ですから、その計画やルーティンを変更せざるをえないような上司の干渉や、思いつきのアドバイスをされることは歓迎しません。ですが、「その計画で間違っていないよ」「予定どおりの成果が積み上がってきているね」と認めてもらえると、安心感が得られ、モチベーションアップにつながります。

「1on1ミーティング」を詳細な計画の確認・報告の場としたうえで、週次、月次の短いスパンで進捗報告をしてもらう体制をつくるといいと思います。ただし、予定外の時間を取られることを好まないので、本人の意向を確認し、メール報告を定期化するのもいいかもしれません。

一方、「かめアリ」は与えられた仕事に真面目に向き合いすぎる傾向もあります。受け持つ仕事が増えすぎたら、自分で他人に振るか、効率化を考えてほしいところですが、粛々と仕事をし続けて不満も言わないので、気がついたらコンスタントに忙しい人になっている場合があります。

干渉を好まないからといって、任せっきりで放置しないようにし、業務量や様子を見てこちらから察するフォローアップを心がけてください。