「童話マトリックス」の性格タイプは、おおよそ理解できたでしょうか? それぞれの部下に最適な「1on1マネジメント」を実践していくうえで欠かせないのが、「コミュニケーションの場」です。今回は、マネジメントに不可欠な「1on1ミーティング」について説明していきます。

「1on1ミーティング」で部下のパフォーマンスアップを図る

「童話マトリックス」の性格タイプは、あくまで傾向にすぎません。部下のことを知るための入り口と言い換えてもいいでしょう。真に部下の性格やバックグラウンド、価値観、いま考えていることや将来やりたいことを細かく把握するには、膝詰めで話し合うしかありません。

そのために行うのが、部下との1対1の面談である「1on1ミーティング」。リーダーが部下のパーソナリティを理解し、また、現在の仕事の状況や悩み、課題についてのフィードバックを行うことで仕事のパフォーマンスを高めることを目的とします。「1on1マネジメント」を行ううえで欠かせないミーティングと言えるでしょう。

もともと米シリコンバレーのIT企業で生まれた習慣で、日本でもYahoo! JAPANなどのIT企業で先駆けて導入されたコミュニケーションです。これらの企業では、日々の業務を細かくフォローすることを目的に、短時間のミーティングを週1、月1で高頻度に実施しています。

しかし、多くの企業では、リーダーがマネジメントのみに徹することができるような余裕はありませんから、高頻度なミーティングは困難です。現実的な観点では、多くて月に1回、せいぜい3カ月に1回程度ではないでしょうか。

実際にわたしの会社では月1回のチームミーティングに加え、個人のキャリアや業務スキルに関するテーマで3カ月に1回の「1on1ミーティング」を設定しています。キャリア展望については毎月のように気持ちが変わるものではないので、そのスパンでちょうどいいのです。一方、日々の業務やプライベートに関することは、「必要に応じて随時」とし、部署のリーダーに任せています。

わたしの会社の役員が以前在籍していた会社では、半期に一度の人事評価面談とは別に、月1回の「1on1ミーティング」が行われていたそうです。「雑談でもなんでも話していい場」として設定され、主に会社(上司)と社員(部下)の相互理解や、個人的な課題解決を行うエンゲージメント向上施策として運用されていたといいます。

このように、開催頻度や目的は企業によって異なりますが、いずれも「1on1マネジメント」の一環として行われています。個々の部下の理解を深め、その部下にとって必要なマネジメントやアドバイスを行うのです。