これまでの連載で、現代の営業パーソンは、間諜(スパイ)であり、敵の情報を収集するのが仕事であると述べてきました。では、営業の現場で、顧客から発せられる様々なサインをどう読み取ればいいのか。

この読み取り方と次へのアクションで、顧客からの信頼は大きく差がつきます。孫子流の営業手法を解説しましょう。

「お金がない」と言われたらどうするか?

さて、問題です。

商談中の見込客が、「金がない」「予算がない」「高いものは買えない」などと、お金がないアピールをしてきます。その意図は次のA・Bのどちらでしょう。

A:買う気はあるけれども、何とか値引きを大きくさせようとして、予算的に厳しいということを営業パーソンに伝えようとしている。
B:本当に予算がなく、提案してもらっても購入するのは難しいので、営業パーソンに提案を諦めて帰ってもらおうとしている。

どうでしょうか。皆さんも営業活動をしている際に、顧客から様々なサインを送られることがあると思います。それをどう読み取ってあげるかが商談を進める重要なポイントだったりもします。

孫子の兵法では、この辺りをどう考えるのかを見ていきましょう。