損益計算書(PL)や貸借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書などの決算書を読み解くことはできるでしょうか? 長年にわたり自分自身で税務申告をしている会社経営者ならそれも可能かと思いますが、多くの経営者が決算書を苦手とし、アウトソーシングでやり過ごします。税務申告だけなら税理士や会計ソフト任せで構いませんが、経営者としてしっかりと財務状況を把握するためにも、「損益計算書(PL)」の仕組みは最低限、知っておきましょう。

決算書は、なぜつくる必要があるのか

決算書とは、簡単にいえば、会社のお金の流れを一定期間で区切り、「その期間内にいくら儲けたのか」や「決算日時点で会社の財産・債務がいくらあるのか」などを把握するためのものです。基本的には1年区切りで作成します。決算書は下図の3種類ですが、特に重要なのが「損益計算書(PL)」と「貸借対照表(BS)」で、いずれも税務申告に必要な書類となります。

「損益計算書」は通称「PL(Profit and Loss statement)」ともいい、会社の損益を表すための比較的シンプルでわかりやすい決算書といえます。1年間にどれくらい売上があって、どれくらい経費を支払い、最終的にいくらの利益が出たのかを知ることができます。会社の業績は、この損益計算書でわかります。

一方、「貸借対照表」は、「BS」や「バランスシート」ともいい、「決算時点で会社にどのような財産がいくらあるか」を知ることができるもの。仮に3月決算の法人であれば、3月31日時点で会社にプラスの資産とマイナスの資産(負債)がいくらあり、その差額(純資産)がいくらあるのかという、ある一時点での財務状態を知ることができます。ただし、やや読み解くのが難しい書類といえるでしょう。

3つめは「キャッシュフロー計算書(CF)」。2000年から上場企業の申告に義務づけられるようになったもので、非上場の場合は納税申告に必要ありません。キャッシュフロー計算書は、損益計算書や貸借対照表ではわからない、会社の1年間の現金の動きを知ることができるものです。

そのなかでも、もっとも端的に会社の財務状態がわかる損益計算書について、読み解き方を覚えておきましょう。