聞き手にいい印象を与える話をするには、どんな工夫ができるでしょうか。ビジネス会話の達人である澤円さんは、「ギャップを活用した話し方」が効果的だと言います。自然なかたちで聞き手の興味を引くことができ、相手に共感を抱かながら、ビジネスのアクションにもつなげていける――そんな、効果的な言葉の使い方をお伝えします。

自己紹介は失敗体験や苦労話とセットで話す

相手の記憶に残る話をするためには、話し手に関するエピソードも重要な要素です。いわゆる自己紹介ですが、コツは「こう見えてわたし○○なんです」というギャップが大きいほど、聞き手の興味を引く話になります。

たとえば、小柄で華奢に見える女性が、「こう見えてわたしは空手3段です」というと、ちょっと興味を持ちませんか? あるいは、屈強な男の人が、「こう見えてわたしの特技は手芸です」というと、見た目とのギャップから驚きが生まれるはずです。

自分について話すときの注意点は、自分をことさら大きく見せようとしないこと。ビジネスパーソンにもときどき見受けられますが、肩書や学歴を並べ立てたり、過去の実績をアピールしたりする人がいます。それによって「すごいですね」くらいは言われるかもしれませんが、それだけで聞き手を惹きつけたり、心を動かしたりすることはまったくないと知ることが必要でしょう。

かといって、自分がどれだけダメかを話し続けるのも考えもの。そこで、自分の過去の栄誉や、客観的に認められた体験などを話すときは、必ず失敗体験や苦労話とセットで話すといいと思います。すると、そこにギャップが生じて、話の説得力が上がります。