プレゼンをはじめ、人前で頑張って話していても真意がいまいち聞き手に伝わらない――。そう感じている人はたくさんいるはずです。では、いったいどうすれば、相手の心や記憶に残る話し方ができるのでしょうか。ビジネス会話の達人である澤円さんが、「言い換え」や「たとえ(比喩)」をはじめ、印象に残る言葉の使い方を紹介します。

曖昧な表現をやめて「本当に伝えたいこと」に集中する

相手の心や記憶に残る話をするための前提として、僕は「言葉の使い方」に一貫性を持たせることを心がけています。具体的に言うと、相手が若い人であろうと有名人であろうと変わらずに、いつも「カジュアルな丁寧さ」を意識して話すのです。

もちろん、僕もあなたも人それぞれ個性がありますから、どのように言葉の使い方に一貫性を持たせるかは人によって変わります。お伝えしたいのは、言葉の使い方を意識しすぎるあまりに自分が「本当に伝えたいこと」がおろそかになるくらいなら、言葉の使い方はある程度統一し、それよりも相手から何らかのアクションを引き出すことに集中するほうが大事だということです。

もちろん、言葉の使い方をあまり考えなくていいというわけではありませんが、「話がうまく伝わらない」「どうすれば相手の心に響くだろう?」と迷ったときは、まず自分が「本当に伝えたいこと」に焦点を合わせることです。

相手に話を伝えて何らかのアクションをしてもらうには、「誰が」「いつ(までに)」「何をする」という要素を明確にすることも欠かせないでしょう。つまり、相手の具体的なアクションにつなげるには、曖昧な表現をしないことに尽きるということです。