システムは運用をしていくと、更新や改修のためのリプレイスが避けられません。しかし、安易にリプレイスを実行すると、予期せぬトラブルやコスト増に繋がる「落とし穴」が待ち受けていることも――。今回は、リプレイスの目的と効果、成功のポイントについて。正しい知識を身につけて、リプレイス成功につなげましょう。
適切な時期に、適切なリプレイスをする
リプレイスとは、既存のソフトウェアやハードウェア、またはシステム全体を新しいものに取り替えることです。
「取り替える」と聞くと新しいものをつくるよりは簡単に思えるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。リプレイスのプロジェクトにおいても、要件定義→設計→開発→テスト→リリースといった基本の作業フローを慎重にたどることが求められます。
リプレイスの目的は、一言で言うと、「何かを改善すること」です。老朽化したサーバーを変え、システムの動作を改善する。古くなったソフトウェアを変え、ソフトウェア・アップデートに対応し、セキュリティ対策を強化する。
特殊なシステムリスクに対応するためのリプレイスもあります。「2000年問題」を覚えているでしょうか。西暦2000年になるとコンピュータの年号認識システムが混乱し、世界中で深刻な影響が発生すると懸念された問題です。予想されたほどの混乱は結果的に生じませんでしたが、それは各分野での大規模なシステムリプレイスが功を奏したからだと考えられています。
システム障害を未然に防ぎ、システムを安定して運用するためには、適切な時期に適切なリプレイスをすることが必要です。