新しいプロジェクトチームが発足し、挑戦が始まる瞬間は、多くのメンバーがやる気に満ちています。ところが、ルールや方針が明確に定まっていないと、チーム内に亀裂が走ったり、トラブルが頻発する事態に陥ることも――。ハードな状況でも頑張ろうとメンバーに思ってもらうために、チーム作りの鉄則があります。本記事では、効果的なチーム編成のポイントやルール作り・運営の実践的なアドバイスをしましょう。
エンジニア同士で、すれ違いや衝突が生じるワケ
エンジニアには3つのタイプがいます。システムやサービスをつくることに喜びを見出すプロダクト好きタイプ、純粋なプログラミングスキルを追求したい技術好きタイプ、人とのつながりや組織を重視するコミュニケーション好きタイプの3つです。
エンジニアチームを編成するときは、プロダクト好きと技術好きの比率を1:1にすることと、コミュニケーション好きをチームの合計人数の4分の1は確保することを原則にするといいでしょう。プロダクト好きと技術好きが3人ずつなら、コミュニケーション好きを2人加えるイメージです。
システム開発の現場では、プロダクト好きタイプと技術好きタイプの間で、すれ違いや衝突が生じることがあります。ユーザーの望む機能を備えたものをいち早く完成させることを最優先する前者に対し、後者は多少時間がかかっても、プログラムの論理的な美しさや正しさを目指します。プロダクト好きのほうが一見ユーザーファーストに思えるかもしれませんが、実は、技術好きが手がけたシステムは、精緻に組み立てられているため将来的に改修しやすい(メンテナビリティが高い)ケースが多いのです。
両者の違いは単純な優劣や正解/不正解の問題ではなく、何を最優先するかという思想の違いです。両方のタイプを迎えることで初めて、バランスの取れたチームが出来上がります。
チームにコミュニケーション好きタイプが必要なのは、プロダクト好きタイプと技術好きタイプを取りなす力を持つからです。「あいつといると楽しいから、キツイけど頑張ろうかな」と部活や職場で思ったこと、みなさんもありませんか。コミュニケーション好きタイプが1人でもいるとチームの風通しはよくなり、雰囲気も明るくなります。