今の日本経済は「バブル経済」と言えるのでしょうか。多くの日本株は「外国人に買われている」という状況はいつまで続くのでしょう。コロナ禍では、日本株の価値や不動産価格が下がらなかったことが功を奏し、経済は何とか保たれました。今は、金融機関が健全な状態が続いていると言います。
バブルなのか? もしバブルなら、どうなるのか?
今年に入ってからの日本市場における株価の急上昇をもって、バブル景気の再来かという声も聞かれます。
そもそもバブルであるかどうかを考えるうえでの指標にも、さまざまなものがあります。たとえばITバブルのときには、新興企業の業績をPER(株価収益率)では測れない一方で、こうした企業の場合は、株価は利益の何倍かではなく売上高の何倍かで決まるのだから、用いる指標はPSR(株価売上高倍率・時価総額を年間売上高で割ったもの)で良いというロジックが出てきたこともあります。
つまり、いろいろな指標を用いた見方があり、バブルにも見えるし、バブルには見えない、ということがあり得るわけです。
それよりも大事なのは、株価が今なぜこれほど上がっているかということと、もしこれがバブルだったとして、それが弾けたときに何が起こるかを考えることでしょう。
現在の市場では、株は外国人が主に買っています。消去法でいくと日本に投資を振り向けた方がいいと考える外国人投資家が買い越しているだけで、日本人が熱狂しているわけではありません。あまり恐れるような事態ではないでしょう。
仮にバブルだとして弾けたときにどうなるのでしょうか。長く続いたデフレは、バブルの後遺症でした。
金融機関が10年、20年という長期にわたって苦しんだことでお金が適切に流れなくなり、経済全体に影響が出たわけです。しかし、現在の金融機関は健全になり体力もついているので、かつてのバブル崩壊後のようなことにはならないと見ています。
外国人投資家が買っているということ、日本人は冷静であること、そして金融機関が健全であること。この3点から、現状がバブルであるとしてもその崩壊をを恐れる必要はあまりないと、個人的には思います。