それぞれの部署が、それぞれの言い分を主張して議論は平行線をたどる……このようなケースを職場でよく見かけることがあるのではないでしょうか。

さまざまな情報から判断し、ベストな決定をするためには、まず全体像をつかむことが欠かせません。その実現のために「2×2フレームワーク」という便利な方法があります。さっそく見ていきましょう。

全体観がないため議論が停滞しがち

中堅電機メーカーのA社では、AI時代に向けて4製品が立ち上がりつつあります。4つもあるのはいいことなのですが、それぞれの対象市場がどれほど魅力的なのか、そこで自社の競争力をどのくらい発揮できるのか、各事業部長・プロダクトマネジャーはお互いの言い分に納得できず、合意できない状況でした。基準がないため誰ひとり全体観のある見方ができていなかったからです。

生命保険会社B社の営業企画部では、500人の営業職員(生保レディ)の戦力をどうやって強化できるか議論が続いていますが、「もっと自分で動ける人材を採るべきだ」「やる気のない人材は会社としてはどうしようもない」などの声も強く、実効性のある対応策が見えてきません。生保レディの戦力強化は、大きな課題を抱えたまま、何年も保留の状況です。