今回から「情報整理」編がスタートします。
情報を収集しただけでは、せっかくの貴重なネタも活用できず、もったいないことになります。得た情報をどう料理するかによってビジネスに大きな差が生まれます。
まずは、情報整理の基本となる考え方について解説します。
営業力だけでは生き残れない
中堅商社のA社は、事業機会が目の前にあれば飛びつくものの、仮説を立てて、検証しながら整理する、という習慣がまったくありません。目先の事業に関しては情報収集をしても、数年後の事業展開をにらんだ情報収集は大変に苦手としています。経営者も営業責任者もです。その結果、いつも同業他社の後追いばかりを繰り返しています。後追いはリスクが小さいとも言えますが、利益率では常に後塵を拝しています。
マーケティング支援のB社は、マーケティングを専門にするにもかかわらず、仮説を立て、検証しながら整理する、という基本中の基本をおろそかにしてきました。経営者はマーケティングの専門家ではなく、営業のプロだったのです。彼の営業力で顧客は次々に獲得してくるものの、肝心のアプリやサービスのユーザー数を伸ばす方策や、利益率を上げる施策についてはかなり行き当たりばったりで、最近は成果があまり出なくなってしまいました。当然、顧客の評価も非常に厳しくなり、主要顧客が次々に離脱していきました。