何を言ってもまず反対や否定から入る人がいます。そういう人と一緒に仕事をしていると、やる気も削がれてしまいますよね。次第に仕事へのモチベーションも下がってきて、気づけば仕事をするのに大切な積極的な姿勢を失うはめになってしまいます。今回は、職場にいる「天邪鬼」をうまくかわして、ものごとをスムーズに進めるための対処法をお伝えします。
まず否定させて上司の気持ちを満足させてから、本番に入ろう
会議となると、誰かの提案や発言に、ことごとく反対する人はいませんか。そういう人は人の考えを否定することで自分の存在感を示し、それによって「第8話『失敗恐怖症』『前例主義』『ことなかれ主義』……自分の提案をことごとく却下する相手を説得する方法は?」でも触れた「自己効力感」を高めているのだと考えられます。
こういう人にとって、反対することは自分の存在証明のようなもので、会議は自分が輝ける場になっているのです。というととてつもなく意地悪な人のように感じるかもしれませんが、じつをいうとこういうタイプは基本的に単細胞な人が多く、慣れてしまえば扱いやすいのです。
具体的にどう対処すればいいかというと、まずこの上司にとって反対することは、“儀式”のようなものなのだと考えましょう。決まり事のようにまず否定させて、そこで一回輝きを放ってもらえば本人も満足しますから、そこからが本番と割り切ります。
たとえば「たしかにおっしゃる通りです。ただ、そのリスクに十分注意を払ったうえでブラッシュアップすれば、切り開ける道もあると思うので、その可能性を検討させていただけないでしょうか」というふうに言えば、それで納得するはずです。
毎回それをやるのかと思うと面倒くさいかもしれませんが、最大のポイントは、反対されても諦めなくていいと知っておくことです。反対意見を尊重する言い方で満足してもらい、この儀式さえ通過すれば話を先に進めることができるのですから、決して面倒くさがらないことです。