孫子の兵法が著された2500年前、「この将軍のために命をかける」と決めた兵士たちがいました。「この上司のために頑張りたい」「この上司の期待に応えたい」と考えるかどうかは、2500年経った現代のビジネスでも変わりません。根底にあるのは上司の常日頃の部下への目のかけ方です。そのポイントを学びましょう。

チームとしてまとまりがない部署、どうするか?

さて、ここで問題です。

あなたはある部署のマネージャーです。部下は5名しかいませんが、どうも部署としてのまとまりがなく、各自がバラバラな動きになっているように感じます。マネージャーとしてリーダーシップを発揮したいと思ったりもしますが、部下への接し方に今一つ自信が持てないでいます。この状況をあなたはどう打開しますか?

A:今の時代は各個人のスタイルでやればいいし、あれこれ指導してパワハラなどと言われるのも嫌なので、各自の自主性に任せる放任主義で行く。
B:もっとチームワークを発揮するためにディスカッションする場をつくったりしてお互いが理解できるように努力する。マネージャーとして言うべきことも言っていく。

ビジネス上の結果、成果を出さなければならないのは当然ですが、厳しく部下を指導したりすると、すぐに心が折れたりやる気をなくしたりする若者が多かったりします。○○ハラという言葉も横行して、上司が部下に対して腫れ物に触るように気を遣わざるを得ない状況もあります。しかし、それでも成果が問われることに変わりはありません。

孫子の兵法では、こうした状況をどう乗り越えていくのかを見ていきましょう。