みなさんは普段、学びを意識して生活していますか? 物価高が進行し続けるなかで安定した暮らしを送るには、勉強をして新たなスキルを獲得するなどしてビジネスパーソンとして成長を果たし、自らを高く売り込んで収入を上げることが求められます。つまり、社会人にとっての勉強の重要性がより増している時代なのです。その重要な学びで成果を挙げる重要な鍵は、「記憶」が握っています。

記憶力で高められる抽象化能力こそが勉強力

勉強で成果を挙げるには、何が必要でしょうか? わたしは、「抽象化能力」もそのひとつだと考えています。というよりも、抽象化能力こそが勉強力だといえるかもしれません。

勉強の手法は様々ですが、テキストの教材を読む、あるいは講義などを聴いて内容を理解していくのが基本です。そこで求められるものこそ、抽象化能力です。「結局何が書かれているのか」「何をいいたいのか」という全体像をとらえる抽象化能力に欠けていては、内容を理解することは不可能です。

記憶も同様です。例えば、長い文章をそのまま覚えるのは脳にとって負担の大きい行為です。平たくいえば、覚えにくいのです。そこで、記憶競技の競技者など、記憶に長けた人たちはイメージ化を行います。

そのまま覚えるには長すぎる文章をひとつのイメージに変換し、覚えやすくするのです。「平和」というテーマで長々と書かれた文章を覚えるのであれば、それらをまとめて「白い鳩」のイメージにするといった具合です。

逆に抽象的なものを具体化するケースもありますが、それらをひっくるめて抽象化能力だとわたしは捉えています。いずれにせよ、記憶は抽象化の連続です。つまり、記憶すること自体が抽象化能力を高めるためのトレーニングになっているのです。

先に述べたように、わたしの考えでは抽象化能力は勉強力そのものです。だからこそ、自己成長のために勉強を続けなければならないビジネスパーソンにとっては、記憶力を高めることが有利に働くのだと思います。