多かれ少なかれ、誰しもが、いま自分は「本当の自分」で生きているのか？という疑問を持つことがあります。自分の気持ちに正直に、毎日をポジティブに生きていくために、当連載では自己肯定感を軸にした様々なメソッドを紹介してきました。最後に、「本当の自分」で生きていくための具体的なステップと、いつも「最強のメンタル」でいるために必要なマインドセットをお伝えします。

中島 輝
心理カウンセラー
「トリエ」代表。「自己肯定感アカデミー」代表。心理学、脳科学、NLPなどの手法を用い、独自のコーチングメソッドを開発。Jリーガー、上場企業の経営者など1万5000人以上のメンターを務める。現在は「自己肯定感の重要性をすべての人に伝え、自立した生き方を推奨する」ことを掲げ、「肯定心理学協会」や 新しい生き方を探求する「輝塾」の運営のほか、広く中島流メンタル・メソッドを知ってもらうための講座を多数主催。著書には『自己肯定感の教科書』『自己肯定感ノート』『毎日みるだけ！自己肯定感365日BOOK』(SBクリエイティブ)、『あなたは、もう大丈夫。「幸せスイッチ」が入る77の言葉』(プレジデント社)、『口ぐせで人生は決まる　こころの免疫力を上げる言葉の習慣』（きずな出版）などがある。

自分の喜怒哀楽にもっと素直になる

ここでの「本当の自分」とは、「ありたい自分」「ありのままの自分」という意味合いです。自分の気持ちに偽りなく、正直に生きている状態を指します。そんな自分で毎日を生きていくためには、わたしは主に4つのステップがあると考えています。

①は、自分の喜怒哀楽に素直になるということ。あたりまえのようですが、これができないビジネスパーソンはたくさんいます。特に仕事では、自分の感情を抑えざるをえない場面が多く、その状態が長年続くことで、次第に感情表現が乏しくなったり、逆に感情の暴走をコントロールできなくなったりすることがあります。

その結果、プライベートでも人前に出る気が失せたり、他者とのコミュニケーションを楽しめなかったりする場合があります。もちろん、それがありのままの自分であるなら、無理をして他人と交流することはありません。いずれにしても、自分の感情にできる限り素直になることが、本当の自分に近づくための大切なステップとなります。