誰しも、仕事や生活において自分の夢や目標を達成し、人生を成功させたいと願うものです。では、自分なりの成功を収めるためには、いったいどんなことに注意を払い、具体的にどんなステップを踏んでいけばいいのでしょうか? そのヒントは、あることに関心を持てば、その対象に継続的にフォーカスして働くという脳のメカニズムにありました。

自ら「いい言葉」を使えば「いい状態」に近づく

わたしたち人間には、「言葉の意味を読み取ることができる」という能力が備わっています。人間の脳をどの観点から見るかによりますが、心理学の観点から見ると、脳は言葉の意味を読み取る機械のようなシステムと捉えることができるのです。

ただし、脳は言葉を読み取れるものの、人称までは読み取れません。これはつまり、その言葉を「誰が話したか」については関知しないメカニズムであるということです。そのため、自分であれ第三者であれ、「いい言葉(ポジティブな言葉)」を使っていれば、脳はいい言葉を読み取り、「悪い言葉(ネガティブな言葉)」を使っていれば、脳は悪い言葉を読み取っていきます。

このことから「いい言葉」を使うことの大切さが示唆されますが、他人からいい言葉を言われるよりも、自らいい言葉を使うほうが、ポジティブな心理的効果がより高まる可能性があります。なぜなら、「あなたはすごいですね!」と他人から言われる機会は、ふつうはそれほど多くありませんから。ですが、「わたしはすごい」と自ら発することで、単純に脳がその言葉を読み取る(聞き取る)回数を増やすことができるからです。

他人から「すごいですね」と言われるのを期待して待つのではなく、自分に対して「あなたってすごいね」とつぶやいてみる。その回数を日常的に増やしていくほうが自己肯定感は高まりやすく、やがて本当に“すごい人”になっていく可能性まで高まっていくのです。