ChatGPTをはじめとする生成AIの飛躍的成長で、AIが人間の知能を超える「シンギュラリティ」は現実のものになっています。システム開発の現場でAIが大きな役割を担いつつある中で、プロジェクトリーダーはどうAIのテクノロジーと向き合えばいいのか。AI時代に人間の力を最大化するためのスキルの磨き方を紹介します。

宮林 卓也
Progate COO
1983年生まれ。大学卒業後、大手不動産会社で営業を担当。その後、人材系ベンチャーで経営企画や人事責任者を歴任し、株式会社ZUUではIPOを達成。2019年1月より、「初心者から、創れる人を生み出す」を理念に掲げるオンラインプログラミング学習サービス「Progate」を提供する株式会社Progateに入社。20年1月より現職。財務責任者として国内外の会計、決算業務他、バックオフィス業務全般にも携わり、現在はCOOとして海外進出や事業拡大も担う。

ChatGPTは何をどう変えたのか？

ChatGPTの登場は、間違いなく、時代の大きな転換点です。これまでは、Googleなどの検索エンジンが、インターネット上に散らばっている情報をまとめ、ユーザーがアクセスしやすいように整理していました。いうなれば、世界中で発行された本を1カ所に集めた図書館を作り、私たちが簡単に本を読める仕組みを提供していたのです。

ところが、アメリカのOpenAI社が開発した対話型生成AI・ChatGPTは、もともとある本を貸し出すだけではなく、私たちのニーズに合わせて、新しい本を書いてくれます。大量のテキストデータを機械学習させた大規模言語モデル（LLM：Large Language Models）を用いることで、人間が書いたかのような自然な文章を“自ら”生成する――これは、率直に言って、ものすごい技術革新です。