Part 3では、ウソをついたり、逃げたりと、誠意のかけらもない人の心理を読み解き、被害を最小限に食い止める方法を解説していきます。

職場には無神経な人や困った人が数多くいますが、もっとも警戒を要するのはウソをつく人です。自分のミスをなすりつけようとウソをついたり、自分の利益のために他人を陥れようと根も葉もないうわさを流す人には気をつけなければいけません。もしも自分がターゲットになったり、渦中に巻き込まれたりしたときに、被害を最小限に抑えるにはどのように対処すればいいのか。今回は職場や家庭でウソをつく人への対処法をお伝えします。

上司のウソから身を守るのに効果的な1本のメール

ある程度のキャリアを積んだビジネスパーソンなら身に染みて感じていると思いますが、職場に根も葉もない噂はつきものです。それも、後で調べれば簡単にバレるようなウソをつく人が少なくありません。

たとえば、課長の失言で取引先が激怒したにもかかわらず、部長には「私は止めたのですが、部下が……」と、自分のせいにして報告していることがわかりショックを受けたという人もいます。責任を部下になすりつけるなんて、卑怯なヤツだと思うかもしれませんが、人がこの種のウソをつくとき、大半は保身です。それも責任逃れのために大した思慮もなく、咄嗟に口をついて出てしまうことが多いのです。

あからさまなウソをつく上司に、どう対処するのがよいのでしょうか。まず、言っておきたいのは、上司に直接抗議するのは得策ではないということです。それをやってもうやむやにされるだけです。

こういうときは、上司本人ではなく、その上司のさらに上の人、もしくは同列の階級の人の中で信頼できる人に、「自分が勝手にやったことじゃないんです」と言いに行くのが最善の方法です。

それができない職場環境だとしたら、メールという手段を使いましょう。自分の責任にされたことがわかった段階で、その上司に宛てて、「課長のご指示だと思って、自分でよく考えずに動いてしまい、すみませんでした」と、メールを1本入れるのです。

上司のさらに上にあたる人にccをつけられればいいですが、気まずいことになっても面倒なので、なくても構いません。後々、社内で調査が入って、万一降格や減給など評価にかかわる問題になったときには、自分の身の潔白を示す証拠になります。

そのメールに上司から返事があってもなくても構いません。事実関係を確認できるものを形として残しておくのが狙いです。このようにメールはウソの被害を免れるために活用することができます。

そのようなメールを送ることで、今後上司は事実の誤魔化しやウソの報告をしづらくなるため、抑止力にもなります。