若くしてフェイスブック(現・メタ・プラットフォームズ)を起業したマーク・ザッカーバーグは、アップルのスティーブ・ジョブズをメンターと慕い、ジョブズに学び助言を受けながら、共にアメリカのテクノロジー業界を繁栄に導きました。

運のいい人の陰には、必ず運のいいメンターの存在があります。あなたもメンターを味方につけて、一足飛びに運を高めていきましょう。

メンターから、守破離の「守」を学ぶ

メンターとは、人生やビジネスにおいて師と仰げる人、「あんな人になりたい」というロールモデルになってくれる人のことを指します。私が運良く社長にまでなれたのも、決して自分ひとりの力ではありません。人生の要所要所でキャリアや才能豊かなメンターと出会い、その方に刺激され、アドバイスをいただくことができたからでした。

では、メンターにどう接し、何を学んだらいいのでしょうか? 私自身の経験を例に説明していきましょう。

子どもの頃、私はプロの落語家でした。当時の上方落語協会会長・六代目笑福亭松鶴ショカクに弟子入りし、小学6年生でデビューしたのです。

落語の世界で一人前になるには、まさに師匠というメンターについて学ぶのが絶対条件です。単に話せるようになるだけなら、当時ならカセットテープ、今ならCDを繰り返し聞き一言一句もらさず暗記してしまえばこと足ります。しかしそれではシロウトと同じ、ハナシに味も深みも出せません。

落語の表現には、セリフ以外にも仕草や動作、視線など、さまざまな技があります。そうした技を身につけるには、一対一で直接師匠に教えを請い、まずは師匠のやることすべてを真似るところからはじめなければなりません。それこそ爪の先まで師匠とそっくり同じになって、はじめて芸に命が宿ると言われているのです。

落語以外でも、日本の伝統的な芸道・武道の修行プロセスにおいて、「守破離」という3段階を辿ることの大切さが説かれています。

「守」……師に言われたことをそのまま守って真似る
「破」……その基本を打ち破って応用する
「離」……師から離れて独り立ちする

その後、私は落語家の道を捨てて、ビジネスで身を立てていくことを選んだのですが、「守破離」は芸事だけでなく、仕事全般にも通じるものだと考えています。仕事が上達するには「守」、つまりメンターの一挙手一投足を真似るところからはじめるのが大事なのです。