今や世界中で利用されているTwitterは、米国テキサス州オースティンで開催される世界最大規模のカンファレンスであるSXSW(South by Southwest)でデビューし、その後の急成長のきっかけとしました。

国内外で開催される展示会やカンファレンスは、まさに情報の宝庫です。しかし、情報収集のためにそれらをどのように活用したらいいのかわからなければ、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまいます。

今回は、展示会やカンファレンスをどう活用すればいいか、解説します。

大したことがないだろうと判断して大きなミスに

展示会、カンファレンスを活かすことは業務を進める上で大切なスキルの一つです。しかし、どうもうまくいかないことがあります。具体的な事例を3つ挙げてみましょう。

まず1つ目は中堅商社A社の事例です。A社では、業務効率化のため営業管理システムの導入を進めていました。しかし、導入担当者がシステムに慣れていない上、兼任での業務だったために、有益な情報収集が十分にできておらず、気づいたときには、幕張で開催されていた営業管理システムEXPOは3日前に閉幕しており、後の祭りになりました。

2つ目は、エンジン部品メーカーB社の場合です。B社では、電気自動車(EV)の台頭により、近い将来の事業縮小を危惧していました。そんな折、東京ビッグサイトで開催されるEV技術展に参加すべきかどうか迷っていました。それほど大したことがないだろうと判断し、結局は参加しませんでした。ところが、実際には、EV関連のコンポーネントメーカーや国内外のEVメーカーカーからの出展が多く、新たな事業機会を探すための絶好のチャンスだったのです。それを失ってしまいました。

最後に、ITベンチャーC社の事例です。C社は、ブレインストーミングをうまく進めるための全く新しいアプリを開発しました。そのアプリを毎年、米国テキサス州オースティンで開催される大規模カンファレンス、SXSWで発表しようとしていました。しかし、下調べが不十分で、当日の発表資料やレセプションの設定、集客、さらにレセプション後のフォローアップ等、多くの点で準備不足となりました。結果として、予定していたプレゼンテーションには人が集まらず、挽回もできず、絶好の機会を逃してしまいました。