日本酒エキスパート編の第2回。
40代になると、さらに出世していく人と、しない人の分かれ目が明確になってきます。40代以降も昇進を重ねて高みに上っていく人は、実績やマネージャーとしての資質に優れているのはもちろんですが、役員クラスとの社内会食における立ち振る舞いについても抜かりなく手を打っているもの。今回は、経営幹部が同席する会食で、中堅社員が自分をアピールするのに最適な日本酒をご紹介します。
深い絆の物語をもつ日本酒が、会席を盛り上げる
年功序列である程度のポジションまではいけても、さらに上を狙うとなると熾烈なポスト競争が待ち受けています。出世レースに参加するライバルたちは、輝かしい実績を持ち、マネジメント能力に長けた人間も多いでしょう。そんな中で神経をすり減らし、自分の限界を感じて「レースを降りよう」と思ってしまう人もいるかもしれません。
しかし、選ばれるリーダーの資質とは、業務上の能力や実績ばかりではありません。本人の人間性や魅力も重要な資質のひとつであり、経営トップや幹部は、見どころのある中堅社員との会食における雑談や振る舞いで、人間力もチェックしています。ここで自分が信頼に足る人間であることをアピールできれば、将来の経営幹部にふさわしい人材であると認められるかもしれません。
経営幹部の方々は接待慣れした美食家も多いので、料理やお酒に対して知識やこだわりを持っていることも多いでしょう。そんな宴席には、特別な意味のある日本酒を用意してはいかがでしょうか。たとえば、会社で懇意にしている料理店に事前に相談して、これからご紹介する「御慶事」のお酒を1本持ち込み、会食の中心に置いて酌み交わしてみる。この日本酒の背景には、酒蔵の経営者である蔵元と、酒造の現場監督である杜氏との、主従の関係を超えた深い絆の物語があります。「御慶事」を飲みながら、その物語をさらりと紹介すれば、経営幹部の心に刺さるのではないでしょうか。