日本酒エキスパート編の第4回。

ビジネスで成功すればするほど、会食の機会が増え、相手の肩書も上がっていきます。日頃、高級料理や高価なお酒を嗜み、舌が肥えている超一流ビジネスリーダーと一席設けるときに、知っていれば相手をいたく感心させる、神秘的な力を持つ日本酒を1本ご紹介します。

なぜワインよりも日本酒の方が好ましいのか?

たとえば、大企業の経営トップとのビジネス会食。日頃から接待で鍛えられている経営トップともなれば、食の経験値もかなり高いでしょう。その方がお酒の愛好家なら、銘醸ワインからヴィンテージウイスキー、老舗蔵の秘蔵の日本酒まで、幅広いジャンルの逸品を熟知していると考えるのが自然です。

ブルゴーニュやボルドーのグランクリュクラスの超高級ワインについて語り合うには、それなりの知見が必要です。一方で、日本酒のいいところはワインに比べて銘柄数も少なくて覚えやすく、気取らない親しみやすさがある点。ただし、日本酒選びもワインと同じく、その人のセンスと人間性が表れてしまうもの。一流の人はそれをわかっているから、相手が「どのような酒を選び、何を語るのか」をよく見ています。