ビジネスパーソンの情報源として日本経済新聞を読んでいる人は多いと思いますが、読み方の技術を磨けば、別の世界が見えてきます。ここでは、会計思考を身に付けて、仕事ができる人になるために、日経新聞の裏読みの技法をご紹介します。

「マクロ」「ミドル」「ミクロ」の3段階に分ける

ビジネスパーソンの貴重な情報源となっている「日本経済新聞」ですが、「経済ニュースはとっつきづらいし、わかりづらくて困る」と言う人が少なくありません。そう思ってしまう大きな原因は、記事の内容が持つ意味を整理できないことにあります。そこで、おのおのの記事の持つ「影響の大きさ」から、「マクロ」「ミドル」「ミクロ」という3つの段階に切り分けてみましょう。

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「マクロ規模の経済記事」の特徴は、1~5年の長期間にわたって、じわじわと私たちの生活に影響を及ぼしてくるところです。たとえば、「米国のFRB(連邦準備制度理事会)が追加の利上げを行なう可能性がある」「財務省が財政積極策に転じて公共事業を拡大するかもしれない」といった記事です。

このような中央銀行や政府機関による経済政策というのは、通常、タイムラグをともないます。いま実行した経済政策があったとしても、その効果が実感できるようになるのは、1年以上経ってからようやくというのが大半です。

それゆえ、経済政策のようなマクロ規模の記事については、「そんな先のことを考えたってしょうがないだろう」という気になって、なかなか関心が高まりません。確かに、マクロの記事の内容は、今日、明日という超短期的な効果をもたらしません。

しかし、早ければ1年後には何兆円規模という単位の大きな効果として表れてきます。長期的な社会や市場の変化を見通すうえで、外せない記事なのです。