体をつくるのも動かすのも食事で摂る栄養。心にも大きな影響を与えるに違いない。心を丈夫にする食事法について考えてみよう。「うどんよりそば、じゃがいもよりさつまいも」のわけとは。(内容・肩書は、2016年4月4日号掲載時のままです)
脳の疲労をチェック
折れない心、落ち込みにくく逆境に強い力がレジリエンス。まずは、次のチェックリストを試していただきたい。精神的に疲れているかどうかの確認だ。思い当たることが多い人は、食事を見直してみるいい機会かもしれない。
糖質制限という食事法は耳にしたことがあるだろう。多くはダイエットや糖尿病治療として紹介されることが多いが、この食事法、疲れを取り、集中力をアップするのにも効果があるという。新宿溝口クリニックの溝口徹医師にお話をうかがった。
「現代人は明らかに糖質を摂りすぎです。疲れが取れない、寝付きが悪くて起きられないといった症状は糖質過多の可能性が高い。でも、病気とまではいえないので、なかなか食事を改善しようとは思いつかないのです」
朝は駅の立ち食い蕎麦、昼はラーメン+半チャーハン、そして夜は同僚と飲んで食べたあとに〆のラーメンといった食生活は、栄養のバランスも悪ければ、カロリーも高い。しかし、最も注意すべきは炭水化物を中心とした糖質の量だと溝口先生は指摘する。
「糖質制限食は、二型糖尿病の治療として注目されました。カロリー制限をしても改善されない患者に、糖質制限の食事を指導したところ、明らかに効果が見られたのです。アメリカの糖尿病学会も食事指導の中に糖質制限を推奨するように変わってきています」
日本人といえば主食は米。近年は米の消費が減ったとはいえ、代わりに小麦からつくられたパンやパスタ、炭水化物が主食であることに変わりはない。
炭水化物は美味しい。しかも食べると幸福感も湧いてくる。しかし、それが体や心に不調をきたす原因だとは!?