自分にとってネガティブな出来事が起きたら、どうすればいいでしょうか。放っておけば、なんらかのきっかけでそのネガティブな出来事を思い出してしまう、いわゆるフラッシュバックを引き起こす記憶になってしまいかねません。そんなネガティブな記憶にする前にできる対処法を紹介します。

知っておくべき人事教育法「ジョブ・クラフティング」

嫌な出来事に出くわしても、それをネガティブな記憶にしないための対処法のヒントが、「ジョブ・クラフティング」という考え方にあります。

ジョブ・クラフティングとは、本来は人事教育の手法です。働く人が仕事に対する認知や行動を変えることでやりがいを感じない仕事をやりがいがあるものへと変化させ、仕事に対する主体性を引き出します。

このジョブ・クラフティングの研究は、アメリカの病院を舞台に進みました。研究対象となったのは、病院の清掃スタッフたちです。その仕事は、いうまでもなく過酷なもの。一般企業の清掃スタッフと比べると、嘔吐物や排泄物に接する確率がはるかに高く、手術室の床にこぼれた血液だって清掃しなければなりません。

そもそも病院という場所は、つねに死と隣り合わせです。毎日のように患者が亡くなるところのために清掃スタッフも精神的に不安定になりやすく、モチベーションの低下に悩んですぐに退職してしまうケースも多いのです。