会社にいる一人ひとりが「安心感」を持って働けると、誰もが個性を活かして、前向きにチャレンジできる環境が築かれていきます。そのためには、組織やチームに信頼関係を醸成させるリーダーの言葉と行動が欠かせません。リーダーが知っておきたい、部下やチームメンバーに対する「声かけ」のコツや、組織の「心理的安全性」の高め方を具体的に見ていきます。
ほめる「声かけ」で部下の成長を助ける
ビジネスのコミュニケーションは、そのほとんどが言葉によって行われるため、リーダーは自分の言葉に注意することが大切です。子育てなどにも通じることですが、部下やチームメンバーに声かけをする場合、叱ったり注意したりするよりも、ほめたり、いい部分を伝えたりする言葉を増やしていくことがポイントになります。
ひとくちに部下といっても、ある人は事務タスクが得意だったり、ある人は営業スキルに強みがあったりするように、それぞれ「向き不向き」があります。このとき、事務タスクが不向きな人には、「前よりは作業が効率的になってきたね」とこちらから声をかけてみる。また、営業タスクが苦手な人にも、「少しずつ会話がよくなってきたんじゃない?」などと肯定的な部分を見つけ出し、積極的にほめていく姿勢がリーダーには必要だということです。
特に、ミドルマネジメントの役職にある人は、「マネジメント」と「リーダーシップ(統率力)」のどちらも求められます。前者のマネジメントを行うプレイヤーとしては、業務の効率を上げたり営業力を高めたりして、目標を達成するためのアドバイスを個別具体的に伝えていきます。これは、自身のビジネス経験を存分に活用できる部分と言えるでしょう。
一方、後者のリーダーシップを発揮するプレイヤーとしては、部下やチームメンバーの個性や特性を伸ばしながら、彼ら彼女らの変化・成長を助ける必要があります。それぞれの強みを引き出し、弱みを補えるような、励ましとなる声かけをしていくことが求められるのです。