リーダーである自分自身がひとりのビジネスパーソンとして成長することと、リーダーという立場として部下やチームの成長を促すことでは、求められる姿勢や能力が異なります。部下はどんなリーダーに「ついていきたい」と思うのでしょうか。そして、どうすれば慕われるリーダーになれるのでしょうか。数多くのリーダーや経営者と交流を持つ中島輝さんが、「いいリーダー」に共通する条件と求められる資質を考えます。

いいリーダーに共通するふたつの条件

これまで、わたしは数多くのリーダーや経営者に会ってきましたが、いわゆる「いいリーダー」に共通する特徴や共通項として、次のふたつの条件が挙げられると考えています。

いいリーダーの条件

①最善を選ぶ力を持っている
②人を惹きつける人間性がある

①の「最善を選ぶ力」は、簡単に言うと「決断力」です。その都度変化する状況に応じて、様々な選択肢から最善手を選び、前向きに決断していく力があること。これこそが、リーダーにもっとも求められるスキルだと見ています。

そして、この最善を選ぶ力を左右するのが、「自己肯定感」の有無だと考えています。自己肯定感とは、「自分自身が価値ある存在であると自分で認める」感覚のことです。

自己肯定感が低いとき、ものごとの見方は否定的かつ悲観的な状態となります。そんな感情を抱えたまま大切な決断をするとなると、「いい決断」にはなりづらいと言わざるをえません。

逆に、自己肯定感が高まると、視野が広くなり、ものごとに対して肯定的な解釈ができるようになります。ビジネスでいうなら、理念や目標達成に向けて最善の方法を見出し、困難があったとしても、その都度ベターな選択ができる力が磨かれていきます。それゆえ、自己肯定感の高い人は、結果的に「いいリーダー」になっていくわけです。