話が上手とされる人は、話すこと以前に、そもそも人の話を「聞く力」が高いと言えます。なぜなら、相手が気持ちよく話せるからこそ、会話はより生産的に、また創造的なものに変化していくからです。今回は、たとえ初対面でも無理なく信頼関係を築くことができる、話の「聞き方」のポイントを紹介します。

「あなたの話をしっかり聞く」という態度を伝える

相手の話をきちんと「聞く」ためには、まず「わたしはあなたの話をしっかり聞きますよ」という態度を、相手に伝えることが必要です。

なぜなら、相手が話すことを受け止めるという、“心理的な契約(約束)”がなければ、相手はあなたに対して心理的なガードを下げてくれない場合があるからです。

そのためには、まずあなたから「自己開示」をする必要があります。いったいどのようにすればいいのか? 僕がかつてマイクロソフトでITコンサルタントをしていたときに、よく使っていた台詞を紹介しましょう。

僕は顧客と名刺交換をする際に、必ず「わたしはあなたを幸せにするためにやってまいりました」と伝えていました。「あなたがハッピーになるために来たのだから、どうぞ何でも相談してください」と、オープンマインドで接するようにしていたのです。こんな台詞をアイスブレイクもかねて伝えていました。

すると相手は、たいてい「ずいぶん大きく出ましたね!」などといって笑われます。でも、その時点で、相手は少しだけ、「そこまで言うのなら、何か相談してみるかな」という気になっているものなのです。

いわば、相手の背中をこちらから少し押してあげるイメージでしょうか。

名刺を見れば、自社のITシステムをよくする提案のために来たことはあきらかです。だからこそ、それについてはひとことめで語らず、ただ「わたしはあなたの力になりますよ!」と、自信を持って言い切ってあげればいい。そんなシンプルな「自己開示」をするだけで、相手はぐっとあなたと話しやすくなります。