創業100年の2055年に売り上げ10兆円――。創業者の遺志を受け継いだ大和ハウス工業の歴代社長は事業の幅を広げ、芳井敬一社長の代で4.9兆円に達した(2023年3月期)。歴代社長の中でも、芳井氏の経歴は独特だ。高校・大学・神戸製鋼でラグビー漬けの日々を送るが、ラグビー選手として挫折を味わう。その後、大きな交通事故に遭ったのをきっかけに、中途入社で大和ハウス入り。当初は出世など望みもしなかったが、営業、リーダーとしての才能が開花し、出世の階段を上りつめていく。紆余曲折の人生を経験し、成功をつかみとった芳井氏は「迷ったら険しい道を選ぶ」と語る。経営学者の楠木建氏が「感銘を受けた」と語る、芳井氏独自の人生観と仕事観はどのように形成されていったのか――。