一体どんな勉強をすれば、東大に入ることができるのか? 合格者たちが苦心して見つけた能率的&合理的な学習術を明かす!(内容・肩書は、2019年8月16日号掲載時のままです)

王道の復習を極めたからこそわかる! 「付け焼き刃のコツ」

高校時代、「全国高等学校クイズ選手権」で史上初の2連覇を達成した伊沢拓司氏。その後、東大に進学した「知識モンスター」が、記憶のコツを語る。

「どうやって記憶力を高めたんですか?」とよく質問されます。しかし、自分の記憶力がいいと感じたことはありません。ただクイズが楽しくて、過去の問題などを覚えようと工夫するうちに記憶のコツをつかみ、それが勉強にも役立って東大に合格できたのだと考えています。中学高校、そして東大にいた勉強ができる人たちも僕と同じでした。勉強もクイズも、努力して記憶した人が最終的に勝つのです。

クイズのトッププレーヤーには共通点があります。それは、復習をすること。例えば、自分が出場したクイズ大会の録音を何度も聴くような復習です。

なかには机に座ってやるような復習が嫌いなのに強いプレーヤーもいますが、彼らは大量の問題をものすごく高い頻度で解いていくという勉強法を採用したりしています。つまり、いやが応でも過去に間違った問題に何度も巡り合うので、そこにはやはり復習の要素がある。問題を解くだけのやりっぱなしでは、東大生だろうとクイズ王だろうとすぐに忘れてしまいます。「復習こそが記憶の王道」なのです。

僕自身も復習好きで、勉強の8割は復習でした。復習のいい点は、机に向かう必要がないことです。自分の頭に定着したかどうかのチェックですから、電車の中でもすぐに始められます。しかも、やればやるほど「できる、できる」という実感が湧きます。反対に、新作クイズなど未知の問題を解いていく方法だと「進んでる感」は得られるものの、頭に定着しません。復習は、成功が約束されている勉強法だから、飽きずに続けられるのです。